W03雑文#3。iPodTouchと比較して。

 
今年の頭にad[es]が壊れて、もう1台買おうと決心に至る間に、PIMをiPodTouchに移行してしまいました。幸いiPodTouchでもOutlookのデータと同期できたので、代打としては十分だったのですね。
…十分過ぎました。結果として、ad[es]を買いなおしても、PIMはiPodTouchをビューアとして使うようになり、入力の必要があるときにだけad[es]を使うようになりました。
 
W03に移行した今、じゃあiPodTouchを辞めてW03一本に絞れるかというと、残念ながら絞ることはできなさそうです。異なるけれどおなじことができるデバイスの2台、ちょっと比べてみたいと思います。
 
PIMという観点で。ビューアとしてはどちらも悪くないですが、スケジュール確認 までの速度がはやいのはiPodTouchです。動作のひとつひとつが軽い。けれど、詳細表示ができたり、入力が手早いのはW03でしょうか。同じデータを参照するにも、目的に合わせてPIMソフトを変更できるのも強味です。
データを管理するのは、母艦PCのOutlookです。データの同期が必要になるのですが、iPodTouchもW03も、どちらも方法は、PCとケーブルで接続することです。
これがなぜか、iPodTouchはケーブルを接続するのに抵抗がないのに、W03(というかWindowsMobile全般)では抵抗があるのです。
 
理由はおそらく2つ。
iPodTouchでは、ケーブル接続イコール充電なので、接続せざるを得ないということ。ad[es]やW03では、クレードルに置くことが充電なので、それに加えてPCと接続するのがちょっと面倒なのですね。
もうひとつは、iPodTouchの同期は、iTunesが起動するだけで他に何も聞かれないのに、WindowsMobileのActiveSyncでの同期は、時折質問に答える必要がある、ということです。
もちろん、ActiveSyncの方が、きめ細かい同期ができて便利なのですが、毎日行うことは面倒であってはいけないのかなあと。おおざっぱでも、手軽な方が嬉しいですね。
 
ただ、ケーブル接続に関しては、W03ではBluetoothで同期が取れるということで、少し手間が軽減されたように思います。いっそのこと、電源ケーブルを接続したら、自動でBluetooth接続を試みるようにすると、PCさえついていれば「クレードルに置いただけで同期」が実現できて素敵かもしれません。
 
閑話休題。iPodTouchとの比較に戻りましょう。
 
W03が優れている点としては、ハードウェアキーボードと、自作アプリを導入できることでしょう。いくらiPodTouchのソフトウェアキーボードが良くできていると言っても、ハードウェアのそれには敵いません。
自作アプリに関しては、導入しやすさという観点では、iPodTouchの…というかiPhoneのAppStoreに負けてしまうかもしれません。先日書いた記事の「初心者がこえなきゃいけないアプリ導入の壁」は、iPhoneの方が低いといえます。
ただし、気軽に開発できるという、開発者側からの観点だと、WindowsMobileの方が良いと言えるでしょう。iPodTouch/iPhoneは、今のところ、自由に開発・配分ができるとは言えないですから。
 
最後に、コンセプトの点で見てみます。
W03もiPodTouchも、どちらも「タッチ操作」を前提に作られており、特にブラウザの操作方法に類似点が見られます。
 
けれど、ハードウェア的に大きな違いがあります。タッチパネルが、iPodTouchは静電式なのに対し、W03は感圧式なのです。それぞれ一長一短があるので、どちらがいいとは一概に言えませんが、個人的にはタッチ操作はiPodTouchに軍配が上がると見ています。
操作感覚が、静電式のiPodTouchは「なでる」ようなのに、W03は液晶に指を「押し付ける」ような感じなのですよね。
そのため、特にスライドする操作の軽さが、両者は全然違った印象です。
 
スタイラスで操作するのであれば、そんなに気になるところではないかもしれません。ですが、イルミネーションキーを搭載していること、スタイラスは簡易的なものしかないことを考えると、コンセプトとしては指操作が基本なのでしょう。WindowsMobile自体が、指操作でどうにかできるように考慮されていませんので(押すボタンがそもそも指からすると小さすぎます)、このコンセプトを突き通すのであれば、WindowsMobile部分を完全に覆い隠して、指操作だけですべてができるようにスキンを作る必要がありそうです。
 
残念ながら私見では、W03の指操作系統は、どうにもiPodTouchの操作系統に引きずられて開発している感が拭えず(特にOpera)、似せることに終始していて「感圧式操作である」ことに最適化されていません。厳しい目で見れば、よく出来ているなと思えるのはホームメニューだけで、そのホームメニューもカスタマイズが効かないために、パワーユーザには使い捨てられるであろうことがもったいないです。…感圧式指タッチ路線が、今後のW03用ソフトの開発トレンドになりますね、これは。
 
ちょっと文章としてまとまらないですが、雑文ということで筆置。
これだけの文章書いても全然疲れないW03キーボードは素敵です(笑)。